昨今、福島県の放射線についてニュースなどで様々放送されていますが、間違った情報や風評に、自分たちがまどわされてはいけないと思います。
ご参考までに以下に、東北大学の川島教授と毎日新聞の方とのメールのやりとりを掲載させていただきます。
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(川島教授)
●●さん本日の毎日新聞に書かれていた「ただちに健康の被害」に関する琉球大名誉教授のコメントはひどいものでした。
何故、きちんとした放射線生物学の若手研究者に取材をしないのですか?
平時ならともかく、社会不安をあおり風評被害を広げる役割を新聞が担うというのはどういった了見でしょうか?
御社の態度に大きな疑問が生じました。
健康の被害があると主張したいのであれば、どのよう被害がどのような確率で現れるのかを根拠を持って示すべきです。
タバコによる健康被害のようにきちんとした疫学調査に基づくものではなく、明確な根拠がないことを何故きちんと伝えないのですか?
非常にがっかりしました。川島
(毎日新聞社員)
川島さん、毎日新聞社の一員として、お詫びします。非常に恥ずかしく思っています。川島さんのご指摘はもちろん、ほかにも下記の問題があります。
(1)1770マイクロSVは屋外での積算線量であって、実際には多くの人は200マイクロSV程度の被ばくであること
(2)福島県内の放射線量は、ほぼ放射性ヨウ素の減少曲線と同じように減少している
(たぶん、多くが放射性ヨウ素131です)から、今後の積算線量はそれほど増えないであろうことを無視している
(3)イランやブラジルで自然放射線が1万マイクロSVの地域があると書きながら、そこの発がん率は他地域と違いがないということを書いていないなどなどです。
この間、冷静な記事を書こうと社内で訴えてきて、少し改善されたかと思っていましたが、甘かったと反省しています。
なお、編集局長に以下の点を知らせておきました。ご参考までに。
【福島の放射線量についての評価】
福島市の放射線量(飯館などほかの地域でも基本的に同じです)は、16日に最高値を記録した後、一貫して減少しています。
その減少曲線は、放射性ヨウ素(ヨウ素131、半減期8日)の減少曲線とほぼ同じで、1週間で半減しています。これの意味することは、以下の2点です。
(1)各地に飛来した放射性物質の多くは放射性ヨウ素であること(もしも、半減期2年のセシウム134や半減期30年のセシウム137が主体なら、減少曲線はなだらかになります)
(2)最後の爆発・火災(15日)以降、新たな放射性物質の飛来は少ないこと
(もしも、かなり飛来しているなら、減少曲線はなだらかになります)ここから言えることは、以下の点です。
(1)今後、爆発・火災がなければ、放射線量は8日後には、今の福島市=6マイクロシーベルトから3マイクロシーベルト程度になります。被ばく量はかなり減っていきます。
(2)現在は原乳や野菜から暫定規制値を超える数値を示していますが、これは主に15日までの爆発・火災により飛来した放射性物質に起因しています。
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